むし歯予防のカギは「フッ素」にあり!
2025年7月6日
むし歯予防のカギは「フッ素」にあり!
みなさん、こんにちは。
今日は「フッ素」についてお話ししたいと思います。フッ素と聞くと、「なんとなくむし歯にいいんだよね?」というイメージがあるかもしれません。でも実は、フッ素はむし歯予防の中でも非常に重要な役割を果たしているのです。
フッ素の主な働きは大きく3つあります。
1つ目は「再石灰化の促進」です。
毎日の食事やおやつのたびに、口の中は酸性に傾き、歯の表面のエナメル質は少しずつ溶け出しています。これを「脱灰(だっかい)」と言います。
フッ素は、この脱灰で失われたカルシウムやリンを歯に戻す「再石灰化(さいせっかいか)」を促す作用があります。これにより、むし歯になる前の初期段階で歯を修復することができるのです。
2つ目は「歯質の強化」です。
特に乳歯や生えたばかりの永久歯はやわらかく、むし歯になりやすい時期です。フッ素は歯の表面に取り込まれることで、酸に溶けにくい強い歯を作る手助けをしてくれます。
3つ目は「むし歯菌の活動を抑える働き」です。
むし歯は細菌の出す酸によって歯が溶けてしまう病気ですが、フッ素はこのむし歯菌の働きを抑えてくれるという性質があります。
特に小さなお子さんには「感染の窓」と呼ばれる時期があり、この時期にむし歯菌に感染するかどうかが将来のむし歯リスクを大きく左右します。感染の窓は、生後1歳半~2歳半くらいの間。
この大切な時期にフッ素を上手に使ってあげることが、将来のお口の健康を守ることにつながります。
当院では、市販の歯みがき粉に含まれるフッ素よりも高濃度のフッ素を使った「フッ素塗布」を定期的に行っています。年齢やむし歯リスクに応じて、塗布の頻度や使用する濃度を調整していますので、ご安心ください。
フロカワ歯科医院では、ただフッ素を塗るだけでなく、「なぜそれが必要なのか」「家庭でどう予防していくか」まで、しっかりとご説明しています。保護者の方にも知識を持ってもらうことで、お子さんの歯を家族みんなで守っていくことができるのです。
予防は、未来への最大の投資です。
むし歯になる前に、予防を始めてみませんか?
気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
日本補綴歯科学会専門医
風呂川 聡